ホンダ円安で利益上振れ|再建は進んだのか?
過去最高の利益
ホンダの2026年4〜6月期は、純利益が前年同期比2.3倍の4509億円となり、四半期として過去最高でした。通期の純利益予想も2600億円から4000億円へ引き上げられています。一見すると、赤字からの再建が一気に進んだように見えます。
円安の上方修正
ただし、今回の上方修正には円安の影響が大きく含まれます。会社は想定為替レートを1ドル145円から155円へ見直し、販売台数の見通しは据え置きました。つまり、車が想定以上に売れる前提へ変わったというより、同じ販売計画をより円安の為替で換算した面が強いということです。
実力改善と反動
もちろん、実力改善が全くないわけではありません。第1四半期の売上営業利益率は前年同期の4.6%から8.8%へ改善しました。売上高も前年同期比13.5%増です。しかし、前年の最終赤字にはEV戦略の見直しに伴う1兆5778億円の損失が含まれていました。そこからの反動を含む利益回復と、四輪事業が安定して稼ぐ力を取り戻したことは分けて考える必要があります。
供給網の弱点
その弱点を、同じ日にサプライチェーンのニュースが突きつけました。熊本地震の影響で部品供給が滞り、ホンダは国内に三つある四輪車工場を一時的にすべて停止します。三重県四日市市の工場は8月6日から19日まで停止する予定です。
利益を削る停止
これは単なる一時的なニュースではありません。需要があっても部品がなければ車を完成させられず、販売台数と売上の計上時期が後ろにずれます。工場の停止が長引けば、円安で膨らんだ利益を、稼働率の低下や供給制約が削る可能性があります。ここは記事から直接示された事実をもとにした解釈です。
需要の反証
一方で、需要まで崩れているとは限りません。7月の国内新車販売は前年同月比6.8%増で、登録車は9.7%増と4カ月連続で前年を上回りました。ホンダでも小型EV「スーパーワン」が6月に1061台登録され、1.4万台を受注したとの報道があります。商品への需要や市場全体の勢いは、再建を支える反証になり得ます。
見るべき回復力
だから、今回の決算を「円安だけ」と切り捨てるのも、「再建完了」と受け取るのも早いでしょう。保有者が見るべきなのは、4000億円という通期純利益の数字より、為替が落ち着いても営業利益率を維持できるか、中国販売の弱さを立て直せるか、そして工場停止後に販売台数を回復できるかです。
次の観測点
まずは8月19日まで停止予定の四日市工場が予定通り稼働に戻るか。さらに夏季休暇後も部品不足が販売の重しになるか。ここが、今回の利益上振れが短期的な円安効果なのか、ホンダの稼ぐ力の回復なのかを分ける観測点になります。
次の四半期を待つ
現時点で、為替が利益をどれだけ押し上げたのか、工場停止による生産・販売への影響がどこまで広がるのかは、本文で確認できる範囲では明らかになっていません。ホンダは黒字回復に向かっていますが、その回復が自走できるものかどうかは、まだ次の四半期を待つ段階です。
- [s.kabutan.jp] ホンダ、今期業績予想を上方修正 対ドル想定155円と円安方向に見直し - 株探
- [minkabu.jp] 【決算速報】ホンダ、今期最終を54%上方修正(株探ニュース) - Yahoo!ファイナンス
- [tokyo-np.co.jp] ホンダ、純利益過去最高 - OANDA証券
- [nikkei.com] ホンダ再建、中国が重荷 円安進行で純利益上振れも「しのぐ時期」 - 日本経済新聞
- [kanaloco.jp] トヨタ福岡工場、6日に再開 ホンダは四輪3拠点停止 | | 全国のニュース - 佐賀新聞
- [newswitch.jp] トヨタ・日産・ホンダ…新車販売が4カ月連続プラスも、今後は熊本地震の影響懸念 - ニュースイッチ by 日刊工業新聞社
- [diamond.jp] ホンダの小型EV「スーパーワン」はなぜ売れた?40年前の名車「シティターボII」のDNAを継ぐ強烈な加速感 - Yahoo!ニュース